第799回 J.C.オカザワ氏の新書を他山の石として 1パクられて悔しいような嬉しいような・・・

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  • 2005年10月29日(土)
読者の方からのおすすめで、
「ぜったい行ってはいけない有名店行かなきゃいけない無名店」
(J.C.オカザワ著)を購入しました。
真っ黒の表紙に白いドクロが記してある目立つ装丁。
著者や出版社の意図が想像できます。
題名からもそうとうな糾弾本だと。

彼はこの2年ほどで4冊ほど出してくるなどかなりの多筆家です。
本業は金融デリバティヴの会社勤務ということで、
立場は友里と同じ。
しかし、飲食評論で食っているのではないようですが
かなり暇なんでしょう。
今までの本は、自腹で客側の立場といいながら、
店への指摘は上品というか、かなり緩いもので、
私には欲求不満だったのですが、
今回はがらっと主旨変えしてきました。
人の事はいえませんが、
内容はかなりの個人的体験からの糾弾とも思え、
悪質な有名店の糾弾を叫ばれている氏と
同じような立場をとってきた私は
色々考えさせられるところがありました。
かなり友里が取り上げるネタ的にも豊富な本でありまして、
偉そうですがこの本を読んで「他山の石」として
今後の言動に気を配らなければならないと考え、
この本に対するコラムのシリーズ化を思いついたのです。
今日はその第一回です。

一目見て、「あっ、うまくパクられたなー」と感じました。
「行ってはいけない有名店」、
「不満の残る有名店」、
「満足できる無名店」、
「行かなきゃいけない無名店」
と4つにガテゴライズしているのですが、
拙著の2冊目の赤本と同じような構成です。
「わざわざ近づく必要なし」、
「話のタネに一度だけ」、
「行って損はなし」、
「とにかく目をつぶって飛び込むべし」
と文言は違いますが似たようなもの。
店に対して「行ってはいけない」というような意味合いのタイトルを
堂々と著したのは私が最初ではないかと思っていたので、
最初はやられた、とちょっと悔しさを感じました。
表紙にはフォークとナイフで「バツの字」を造っているのも
拙著と同じです。

しかし、このコラムのタイトルである
「行っていい店、わるい店」自体、
文藝春秋社の「東京いい店、うまい店」
ホイチョイプロの「東京いい店、やれる店」
参考にしたものであり、店の評価をカテゴライズするということは
ミシュランが昔からやっていることで、
私も厳密には「パクリ」をやっているようなものでしょう。
そう考えると、パクッてもらえるということは
参考にしているということで、
なんだか嬉しいような気にもなってきたのです。

緩いぼけた指摘と寒いオヤジギャグが特徴だった
オカザワ氏ではありますが、
今回はかなり派手に、私怨とも思えるほど厳しく
具体的に店やスタッフを特定して批判しています。
友里があの文調で反発を食らいながらも、
2年以上未だに無事でいることに
意を強くしての方向転換なのでしょうか。
しかし、かなりのインパクトを与えると思う内容ですが、
発売直後だというのに、
アマゾンのランキングでは2万位台を低迷しています。
自分の事ではなく人の事は意外とよくわかるもの。
読んでいるうちに、
色々な問題点や考えさせられる点が見えてきましたので、
次回からはそれを考察してみたいと思います。
でも、これってこの本の宣伝になってしまいますかね。
貢献したらオカザワさんに一食おごっていただきたいものです。