第661回 安いコースの方がお勧めか、龍吟 2

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  • 2005年6月1日(水)
料理はおなじ弟子仲間の「小十」より創作色が強いもの。
自慢の明石の鯛にはかなり隠し包丁をいれてあり、
大間の鮪もギザギザに切ってあります。
醤油を絡みやすくするようですが、肝心の鯛が水っぽく、
鮪は香りと旨みがなかったのが残念。
技に凝る前に質に凝っていただきたかった。
付き出しに出た静岡の蛤も質感を感じませんでした。
初っ端から期待はずれが続きましたが、
鱧の骨からとった松茸のお椀でやや持ち直し、
サエズリと青菜のお椀は滋味深いもので納得。
偶然あった天然鰻のタレ焼きは
青柳グループ独特の鮎の棒焼きに通じる、鰻自身の脂で、
から揚げしたような焼き上がりでした。
勿論直焼きで皮はパリパリ、香ばしいものでしたが、
鰻自身の旨みはどうだか。
「小十」の天然鰻に感動した後だったので、
あまり質の良さを感じませんでした。
松茸と半生とも思える牛のすき焼きなど10皿あまりでお腹は満腹。
安い値付けとはいえワインを頼むと2万円コースでは、
一人3万円を超えてしまいますが、
「小十」に及ばないまでも、
近所の「こだま」より量、味、価格を含めて
食後感はかなり上回りました。

再訪
今回は1万5千円コースに挑戦。
鯛など造りは質がよく見直しました。
白子茶碗蒸し、ウニ・ホタテ・ハマグリご飯もよく、
ワインは9千円以上と安いものがなくなっていたが、
一人2万数千円。
高級・レアな食材ではありませんでしたが、
かえってこの価格帯の方が満足度は高かった。

<結論>
ワインを安くしたのは正解ではないか。
ちょっとワインを知っていたら、
思わず頼んでしまい結果支払額が高くなり、
店側にもプラスとなるでしょう。
たまたまだったのか、食材の質に?なものがあり、
2万円コースがやや割高に感じました。
高額コースを頼む際は、どのような食材が用意できるか、
きっちり事前にチェックが必要です。