第484回 高くてリピートは苦しい、鮨 かねさか 2

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  • 2004年11月23日(火)
一二を争う有名な鮨屋である久兵衛ですが、
その割に鮨自体ではそんなに評価が高くありません。
その分店から若くして独立して、
なぜ急に評判の店になれるのか、
鮨屋というのは不思議な飲食店であります。

金坂氏と2番手は日ごとに立ち位置を交替するようです。
両者の技量にそれほどの差はないのでしょう。
ツマミは蒸し鮑などタネそのままのほか、
季節の漬物なども出され酒飲み客にもゆっくり過ごせます。
握りも矢継ぎ早に攻撃されないので、
余裕でお酒が楽しめるのはありがたい。
同じ銀座の次郎とは対極にある店で、
そういえばこの店では「次郎」で見かける鮨オタクのような
ジーンズに格子柄シャツといった客は見かけません。

小ぶりな握りは久兵衛仕込でしょうか、
コハダの〆が私にはゆるく感じましたが、
有名店(あの次郎も)が仕入れている
藤田水産からではないという近海マグロも、
2週間前に食べた次郎よりも上質。
当然修業元の店より上でしょう。

穴子が塩とツメの両方でること、
時期的に扱っていない店が多いのに
煮ハマが出てきた点などは疑問ですが、
ゆっくり飲んで食べてその御代は2万5千円前後。
かなり高いと思うのは友里くらいでしょうか。

<結論>
雰囲気どおりの価格で、
夜は3万円近くは覚悟しなければなりません。
タネの質は、マグロはかなりのもので、
他のものも出色したものはなかったが
平均レベルを上回っていると考えます。
鮨は技術よりタネ次第ということでしょう。