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第5回 リニューアルや移転で勝負してきた過大評価店 |
リニューアルや移転をする飲食店の目的は何でしょうか。集客が思わしくないのでコンセプトを変更せざるを得ない結果の改装。繁盛して気をよくした主人が、銀座など繁華街へ勝負にでる移転。どちらもあまり成功した例を見ません。友里が過大評価だとコメントしたこの2店は、料理やサービスに傑出さがないのに集客は順調でした。ではなぜ、費用をかけてキャパも変えずに改装や同じ地区に移転したのか、友里の疑問は解けました。
「ル・マンジュ・トゥー」。
以前はカフェのような店構えでしたが、1階がオープンキッチン、2階がホールと逆の配置。席数は14名ほどで変わっておりません。内装は斬新になりましたが普請は高そうに見えないのが難点。料理は2千円値上げた1万円コースが1本のみ。もう旬が過ぎたと思うのですが、中央がへこんだ大き目の白い皿に小さく盛り付ける少量多皿料理です。スプーンに載せられた玉子はまったくトリュフを感じず、馬肉のカルパッチョも旨みなし。エスカルゴは殻一つで串焼きとソテー。アスパラは細かく切ってありましたが頭の部分が見当たりません。おそらく質の悪いものを、頭なしで仕入れているのでしょう。すでに輸入禁止のはずのランド産鳩も血のソース共に凡庸、かなり前の冷凍でしょう。唯一、平凡なブールブランソースのカサゴが火入れもよくまともでありました。値上げと原価率逓減の両方で収益を増大させるきっかけが、リニューアルの目的と読みました。
「麻布 かどわき」。相変わらず混んでいるようで2回転しています。8席のカウンターに個室が2つでしょうか、こちらもキャパはそれほど増えておらず、料理も1万5千円と据え置かれておりました。季節的には中途半端なのか、フグ主体とオコゼ主体の2つのコースを主人が客毎に出し分けています。久々の訪問でしたが、以前からの問題点をいくつか改善していることに気がつきました。クラッシュアイスの上に造りを並べるのは同じですが、大葉などを下に敷いて造りが溶けた氷水でびちゃびちゃになるのを防ぐように配慮。鯛鍋がエスニック風味でしたが、後は創作系料理の割合が減り、〆に蕎麦と掻き揚げを出して客の腹具合にも充分配慮しています。車えび含めて食材は質が高いと言えませんが、以前より食後感はよくなっているようです。キャパと客単価を上げていないので売り上げ増につながりません。同地区への移転は、単なる主人の見栄、自己満足達成のためなのでしょうか。