誰が数えたか銀座には700店近くの鮨屋があるとか。新店ラッシュも続いて、鮨ブームはピークのようですが、最近のトレンドなのか、ツマミを充実させた酒飲み用の鮨屋が増えいます。今日は銀座で比較的新しく、マスコミ露出もある3店をお勧め順に取り上げます。
「くわ野」。赤坂の街場寿司出身の主人と女将の8席の小さな店。「久兵衛本店」の隣のビルに独立店を出す決意をした主人の大胆さに私は驚きました。この店は前もっての一人客の予約を受け付けません。一人だと電話で告げると女将は口調が変わって「一杯です」。ではその週の空いている日に行きたいと申し込んでもはっきり返事をしません。翌日断られた日を2名で申し込んだらあっさり予約が入りました。最初から潔く「一人客御免」を宣言するべきではないでしょうか。ネガティヴな先入観をもって店を訪れたのですが、ツマミも含めてタネ質は悪くなく、酢飯とタネのバランス取れた握りでありました。煮きりを青魚用も入れて2種用意しているのも面白い。タネ数も豊富で一人2万数千円。一人で行けないのが難点ですが、再訪したい鮨屋です。
「すし 椿」。雇われ親方で、別室にもカウンターかある大箱鮨屋ですが、この店に行くなら親方が握るメインカウンターの左側に座ってください。この店の特徴はなんと言ってもツマミ。カラスミ、山葵明太子、アン肝のほか〆、炙りのタネが15種ほど。玉子も出汁巻きと江戸前風の2種用意しています。スルメイカのワタの味噌漬が印象的でした。握りに到達する前に、酔っ払い満腹になる危険があります。酢飯は酢や塩を押さえ、多分砂糖を使った緩いもの。人によって好みの分かれるところです。当然合わせるコハダなどの〆も緩い。握りよりツマミに重点を置いた客単価2万円台後半の店です。
「すし おおの」。主人と女将の8席の店。やはりツマミが豊富で、握りは「お好み」となります。最初の〆た「ほうぼう」が乾いて硬いのにびっくり。煮大根が出てくるのも疑問ですが、煮タコ、蒸あわびとイマイチ。2月なのにヒラメではなくカレイなのも疑問。白子、げそ焼き、アン肝、茶碗蒸し、棒寿司に蟹まででてきますから、正当な江戸前鮨というより、街場のオツマミ系の寿司屋。主人は「まつ勘」出身と知って納得しました。タネ質は普通、酢飯や煮切りも甘めで、握りの最終整形はまな板に置いて両手でやっていました。1万円台後半と高くはないですが、わざわざ行くことはないでしょう。