2008年04月05日

江戸料理屋「なべ家」をストーキング ねぎま編

本日で友里征耶の「行っていい店わるい店」はお休みさせていただきます。半年にわたりお付き合いいただきまして有難うございました。さて最後の店はどこにしようかと考えた結果、来月の参考になればと4月限定の料理を出す店にしました。
どこが「江戸料理」なのかさっぱりわからない大塚の「なべ家」。客を呼び込むため季節毎に、手を変え品を変えた料理を出してきます。5月の「川鱒」や6月の「鮎」の時は店名と違って鍋を出しませんが、4月限定の料理は、大谷浩巳氏などヨイショ専門のフードライターたちが絶賛している「ねぎま鍋」であります。
昨年4月に訪問。突き出しは、うるめいわしと甘い玉子焼きは本当にワンパターン。これが「江戸料理」だと開き直られたらそれまでですが、どうってことないもの。しかもこの玉子焼き、口に含む瞬間、油の匂いをモロに感じます。毎回一品変わる突き出しの皿は、鮪のヌタ和えでした。まったく凡庸だったのは予想通りであります。
続いてお椀の代替なのでしょう、「豆腐粥」の登場です。出汁はカツオが強過ぎですし、安くて手間のかからない椀タネですから調理は楽なものです。
造りは鯛とさよりで、炒り酒が添えてあるだけの平凡な質でありました。
毎回こんなもの出さなくていいと思う「出汁入り蕎麦」も健在。蕎麦は他店から仕入れているとも聞きましたが、この出汁が甘すぎて話になりません。
そしてメインのねぎま鍋。ぶつ切りというか角切りが一人4片にセリ、若布、白葱、ウドなどが添えられています。身が厚いとはいえ、かなりお歳を召された女性スタッフは火入れに寛大なようで真っ白になった鮪を鍋から取り上げます。かなり大量に胡椒を掛けることを推奨されますが、脂がしつこい鮪(質が良くない)を使っているからと読みました。そして〆は白飯にこの出汁をかけた「汁かけご飯」であります。うーん、油臭い玉子焼き、カツオ強すぎの豆腐粥、平凡な質の造り、出汁に鮪と野菜入れただけの鍋、と高度な調理レベルをまったく感じないこの「江戸料理」。お酒を飲んで一人2満数千円でしたから、「ねぎまコース」は1万8千円ほどと読みますが、家庭料理の延長線上としか思えないだけに、4月限定という「釣り文句」に引っかかって訪問する必要はないでしょう。


2008年03月29日

豚シャブ屋にしては高過ぎないか、豚組しゃぶ庵

この店が属するグループは、「ひらまつグループ」の原点「ひらまつ亭」があった西麻布4丁目のビル地下の居酒屋「せいざん」が出発点であります。その後交差点近くにワンコインの立ち飲み屋をオープン。外人客で盛況でしたが、この辺りから経営元の「株式会社グレイス」は拡大路線を取り始めました。4800円のイベリコ豚をウリにしたトンカツ屋「豚組」が当たり、立ち飲み屋も赤坂に増やし、昨年ついに六本木にこの豚シャブ屋をオープンしたのです。グレイスの売上が2億6000万円、これだけでも驚きですが、今期の目標はこの「しゃぶ庵」の売上を見込んでか目標が4億3000万円になっております。居酒屋「せいざん」もいつの間にか「豚料理屋」に鞍替えと、急激な膨張と方向転換がちょっと気になります。
今年はじめに編集関係者たちと新年会で訪問してビックリ。100席以上の超大箱店で、ホール以外に個室ゾーンが広くVIPルームも2部屋あるのです。IH加熱調理機をテーブルにはめ込み、ルクルーゼの鍋をセットし、男性スタッフは若くビジュアル系を用意、と「せいざん」時代を知る友里としてはのけ反るばかりの衝撃でした。
突き出し、6種の前菜、しゃぶしゃぶ、麺のコースが豚の銘柄毎に8種ほど用意されています。2900円の「けんとん豚」や3500円の「黒豚」は許せるとして、「白金豚」が5400円、イベリコに至っては1万円というのはいくらなんでもやり過ぎではないか。
濃厚な胡麻ダレを避け、塩出汁や塩胡椒で食すると安いコースでも豚の旨みを感じます。確かに悪くはない。一日2回、タイムサービスの焼き豚のワゴンでの提供(900円)も面白い趣向です。
でも3人で馬刺しや追加肉を頼み、5千円前後のワイン(ボジョレーもの)を2本飲んでの支払いが4万円弱には言葉を失ってしまった。
今回は自腹ではなかったのですが、この支払額を知ってしまうと再訪は難しい。同じ六本木の高級シャブシャブ「瀬里奈」(勿論牛肉)でもワインを持ち込んでVIP会員の割引を使ったらこの支払前後で終わるはず。あまりに高い豚肉屋ではありませんか。週末なのにほとんど客が入っていませんでしたから、1億7000千万円売上増が絵にかいた餅にならないことを祈るばかりです。

食べ足りない時の立ち寄り限定、ほな あざぶ

雑誌やTVで紹介されていたダイニング風鉄板焼屋であります。正式には「HONA azabu」と英文字ですが、大阪弁の「ほな行こか」からとったとわかる大阪テイストのお店。大阪の既存店からの東京進出ではなく、何とこの東京店が初めての店だとか。大阪からぶっつけ本番で激戦地の西麻布出店という度胸に驚きました。
トマトを使ったお好み焼きがこの店の一番のウリ。鉄板焼が好きではない友里は訪問を躊躇していたのですが、近辺での会食で満腹にならなかったので一人入店したのが昨年12月、年末の稼ぎ時なのに客が少なかったのが意外でした。
まずはウリの「王様トマトお好み焼き」(1480円)をオーダー。中身の具を2種選べるシステムでおススメの烏賊とアスパラをチョイスしました。生トマトの酸味とソース、キャベツが混ざった濃厚な味付けは、面白いですが沢山は食べられません。この1品のつもりが、つい探究心が出てきて追加をしてしまいました。
牛土手焼き(680円)はB級的な化学系の調味料を否定できない味濃いものですがまずまず。J.C.オカザワなら泣いて喜ぶ一品です。キャベツ盛り(380円)はマヨネーズと辛味噌を混ぜて食べるもの。変わったお味でありました。ちょっと腹の足しと寄っただけでしたが支払いが5000円弱は食べ過ぎか。
2回目の訪問は、ミシュラン1つ星の鰺フライ屋「田はら」の帰り。高くて何ら傑出していない鰺フライなどの口直しに連れと二人での立ち寄りです。お好み焼きの他に、新作というオデンを食べての支払いがこれまた6000円ほどと今回はあまり売上に貢献しない取材となりました。
お好み焼きをウリにしていますが、あくまで主体は鉄板焼のはず。魚介や野菜の鉄板焼のほか、近江牛ロースが100グラム3800円、ヒレが4500円で用意されています。シャンパンはドンペリなど高級品も置いてあるので接待族もターゲットなのか。5000円コースにはトマトお好み焼きや牛ロースが入っていますから、若い人の合コンや宴会の利用には便利であると考えます。
店のキャパの割に男女スタッフの数が多く、総じて皆愛想が良い。私の年齢では濃すぎる味付けでありますが、小腹がすいたとき、帰宅前の立ち寄り限定としての紹介です。