BLOG TOPへ

2006年07月28日

2005年ボルドープリムール

先週だったか、2005年ボルドーワインのプリムール販売のパンフをもらいました。皆さんご存知のように、ボルドーの格付けワイン(特に赤ワイン)は収穫年からだいたい2年後にボトル詰めされてリリースされます。そしてプリムール販売とは、瓶詰めされない樽の段階(収穫年の1年後)での予約販売のことです。普通はワイン取り扱い業者への限定予約販売なのですが、「エノテカ」というインポーターが一般消費者向けに初めてこのシステムを導入しと聞きました。
第三次ワインブームで景気が良かったのか、全国に多店舗展開した「エノテカ」。ワインだけではなくレストラン部門も展開していましたが、採算が合わなかったようで数年前にレストラン部門だけ売却したのはコラムで述べました。
私は若い頃はこのプリムール販売を利用して何本も予約したことがありますが、最近はまったくやっておりません。理由は2つです。
いくら早飲みタイプになっていると入っても、ボルドーは10年以上は寝かせたいもの。所蔵しているワインもほとんど減らない現状でこれ以上買い増せないというのが第一の理由です。普段はデイリーワインを買って飲んでいて、所蔵しているワインは飲むと二度と手に入れられないかもしれないと恐れてほとんど私は開けられません。笑い話になりそうですが、死ぬまでに飲みきれないかも。
第二の理由は、損する可能性があるからです。ワインはヴィンテージの良し悪しや評論家の評価で価格が変動します。そして業者の思惑もありプリムール販売価格が設定されるのですが、翌年のリリース価格の方が安くなる場合も多々あるのです。いわばギャンブル。1年早く支払って、1年後にやっと現物が来たら市場価格が下がっていたでは話になりません。

さて、この2005年のプリムール価格を見て私は驚いたのです。最近のヴィンテージの良し悪しにまったく興味がなかったのですが、2005年はかなり良い年のようです。価格がかなり高い。
有名どころを挙げますと、CHマルゴーが一本当たり8万円前後。ラトゥールも同じで、ラフィットやムートンが7万円弱くらいでしょうか。私の好きな2級のラスカーズが3万円を超えていました。驚きです。
こんなに高い若ワインを買う人がいるのだろうか。昔私が買い集めていた頃購入したオールドヴィンテージのワインより高いではありませんか。
中にはオーメドックでCPのよいポタンサック、シャス・スプリーンといったワインが3000円チョイでまあまあかなと思うものもありますが。
私は敢えて言いたい。いくらヴィンテージが良いからといって、何時飲めるかわからないワインにこんな大金を払うより、古酒とはいわなくても少々こなれた90年代のワインを買ったほうが得だと。ずっと美味しくて安いはずです。うまく買えば、80年代のワインも同銘柄でも安いかもしれない。だいたいヴィンテージが良いワインは強いので、飲めるようになるにはより年数がかかるものです。パーカーなど評論家のコメントに煽られて急いで購入する必要はまったくないと考えます。
それでも未だ樽に入っているワインに、貴方は3万も7万も払いますか。

2006年06月15日

偽装シャンパーニュ

フォントサイズが小さすぎて読みづらいとのご意見をかなりいただいております。
改善するよう手配しておりますので、しばしお待ちください。

さて「偽装満席」につぐ「偽装シリーズ」第二弾です。
日刊ゲンダイではスペースの関係上わずかしか書けなかったのであらためて詳しく書きます。
ミスチルの櫻井氏がプロデュース、「かんだ」の神田氏がディレクターだかに就任してオープンした、
神宮前の「クルックキッチン」というお店をご存知でしょうか。
「東京カレンダー」でオープンまでの経緯を1年かけて掲載していた店です。その力の入れ具合が半端ではなく、非常に不自然にみえる店宣伝でした。
その店でのことです。
着席後、スタッフが食前酒の注文を聞いてきたのでグラスシャンパーニュを頼むと、「シャンパーニュはロゼしかない」というのです。
ソムリエの知り合いが造っているシャンパンだそうで、グラスはこの一種だけとのこと。
例外はありますが「シャンパーニュのロゼに旨いものなし」の定説から気乗りしなかったのですがそれを注文。
供されたその液体は確かに泡がでていましたが、変な甘さと奥行きのない平坦な味。ソムリエがすすめる割にかなり出来の悪いシャンパーニュと感じ、ボトルを見せてもらったのです。
そのボトルを一目見てシャンパーニュではないと確信しました。コルクタイプではなく王冠式のボトルはミネラルウォーターの瓶に似ています。ラベルも変なもので、どこのも「シャンパーニュ」のAOC表記がない。シャンパーニュではなくただの「ヴァン ムスー」と読みました。デゴルジュする前の澱をあつめているボトルは王冠でとめていますがそれが出荷されるとは考えにくい。
スタッフに「これはシャンパーニュではないでしょう」とクレームをつけたのですが、彼女は「シャンパン」と「スパークリング(発泡酒)」の区別がつかないワイン知識の少ない人でした。
スタッフの知識がないからといって、発泡酒を「偽装」してもいいのだろうか。ソムリエ(当日はどこにいるのかわからずじまい)なり経営者が、「これは発泡酒でシャンパーニュではないから気をつけろ」と普段から教育しておくべきです。
ディレクターであるという神田氏は何をやっているのか。無償で役を受けているとしても怠慢ではないか。
シャンパーニュの定義がわからないような客だけを狙っているからか、料理に関しても食材の種類は少なく、質、調理もまったく凡庸であったことを最後に付け加えさせていただきます。