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2006年06月27日

くわ野 

今日はQサイトの最終コラムで簡単におススメした鮨屋についてもう少し詳しく書いてみます。

赤坂の街場寿司屋出身の主人と女将の8席の小さな店です。「久兵衛本店」の隣のビルに独立店を出す決意をした主人の大胆さに私は驚きました。
この店は前もっての一人客の予約を受け付けません。電話で日時を言ってから訪問人数は一人だと告げると急に女将の口調が変わります。そして絞るような声色で「一杯です」。
ではその週の空いている日に行きたいからその曜日を教えてくれと申し込んでも、女将は答えを濁してはっきり返事をしません。これは「松波」と同じく、一人客を歓迎しないのだろうと察してその日はあきらめました。
思ったとおりで、翌日知人に頼んで最初に断られた日を2名で申し込んだらあっさり予約が入ってしまいました。なぜ最初から潔く「一人客御免」を宣言しないのか。雑誌では一切そのようなことは述べておりません。8席のカウンターだけのキャパなので、端数が残ると売上減となるので嫌がっているのか。それとも、オタクやネット評論家は一人客が多いという事で避けているのか。雑誌にあるにこやかな夫婦からは想像できない「一人客撃退」に私は憤慨したのです。小細工せず、一人客がいやならはっきり宣言しろと。

ネガティヴな先入観をもって店を訪れたのですが、ツマミも含めてタネ質は悪くなく、酢飯とタネのバランス取れた握りでありました。ツマミも結構充実していて、鮨タネとかぶらないものも多い。酒飲みでもゆっくりと楽しめるでしょう。海老が?でありましたが、あとは炙った穴子、煮ハマ、ヅケ、コハダと仕事物も含めて満足しました。
やはり鮨は修行店の良し悪しではなく、主人のタネ質への拘りを含めた心意気に左右されるものなのか。やれ有名店やホテルで修行したとお題目唱える鮨店に勝るとも劣らない街場寿司出身の店がでてくるのは、鮨業界の活性化にもつながるでしょう。名前だけではなく、今現在仕入れているタネ質や仕事ぶりが大事だということです。
煮きりを青魚用も入れて2種用意しているのも面白く、タネ数も豊富で一人2万数千円。一人で行けないのが難点ですが、数ヵ月後に再訪してしまいました。

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2006年06月19日

鮨 きたむら

鮨屋は相変わらず出店ラッシュのようですが、実はピークを越え鮨バブルの終焉へ向かいだしているのかもしれません。数年後には淘汰される鮨屋も多いと予想する店主の話を聞いたことがあります。
独立して客単価を高額鮨屋といわれる1万5千円以上に設定し、適度な質のタネを仕入れ、雑誌でチョイ紹介されれば、修行店や修行経験に関係なく客が殺到しています。夜でも「お決まり」を数千円で出す住宅街の寿司屋が集客に苦労しているのに、繁華街で4倍、5倍の高額鮨屋が一杯なのですから異常といえます。「次郎」、「久兵衛」、「小笹寿し」など有名店ではない普通の街場の店出身、いや鮨屋での修行経験のない料理人でも、タネ質さえある程度のレベルを保てば、客が満足できる鮨を提供できるほど、鮨の職人仕事の習得は早い。今のバブルを支えているIT関連の若い客の存在も大きいでしょう。
今日は先日行った、若い客が多い西麻布のマンション鮨屋「きたむら」の簡単な感想です。
雑誌ではマンション一室の鮨屋と紹介されていますが、星条旗通りに面した古い小さなビル4階。エレベーターから外階段を使わないと入り口へ行けません。どう見てもマンションには見えない。
主人は30歳チョイ。マンション鮨の先駆け、広尾の「すし家」に数年修行していたと言っていました。
靴を脱いであがるカウンター6席と座敷1つの小さなキャパは予想通り「隠れ家」風です。
ハラスや鰆の炙り焼き、アン肝、蛍烏賊など江戸前鮨タネとは違うツマミが10種ほどでてから握りに入ります。
若い人相手が主体だからか、酢飯は砂糖を感じる甘さが口に残ります。酢飯とやや強めに〆たコハダが合わない気がしますが、タネ質がまずまずで客単価は2万円弱。
主人とバイト風な女性の二人でやっていますが、流行っているのかひっきりなしに予約の電話がかかってきておりました。
煮切りを含めてすべてが甘めの味付けは、最近のトレンドなのでしょうか。
「隠れ家」が大好きな業界人には居心地良い環境ですが、赤身、煮はま、鮑がないなど江戸前タネがありません。マンション(古ビル)鮨屋と話のタネに一回の訪問で充分でしょう。

2006年06月14日

一人客を断る鮨屋の狙いは

読者の方からの情報です。
鮨屋から聞かれたそうですが、「最近ネットなどの書き込みに神経質になっている鮨屋が多くなり、一人客の予約を受け付けない店が増えている」というものです。
なぜ一人客を断るかというと、ブログで店の感想や評価をしている人は「一人」で来店している確立が高いというのが理由だそうです。
鮨ボーイズ間でネット批評阻止のスクラムを組んでいるのかもしれないとのこと。
「なるほど」と私は思わず膝ポンしました。コラムにも書きましたが、私も一人で予約しようとして断られた経験があるからです。当時は席数の関係で二人客がその後期待できるので断っているのかと考えましたが、「ネット批判封じ」の目的もあったとは驚きました。
友里ですから具体例を挙げましょう。お勧め店とした銀座の「くわ野」に何ら傑出したものを見出せなかった酢飯が甘い過大評価の浅草「松波」です。
電話で一人だというと口調が変わり、「もう一杯」と断るのですが、その後知人に2名で予約電話をかけてもらうと同じ日時で簡単に予約が入った不思議。
カウンター形式の店で一人客を断ったら、一人客はどこで食べろと言うのでしょうか。
しかしそれが本当で実行している店が多いとしたら、何とも鮨職人は器量が小さい、度量のない人種であるといえるでしょう。みっともないと思わないのか。
批判されたくない?
それならヨイショだけの雑誌などマスコミの取材にも出るな。褒め言葉は歓迎するが、批判はしてくれるな、では「良いところどり」ではないですか。堂々と雑誌に「ネットで批判されるのが嫌なので一人客を受け付けない」と宣言するならまだ許せますけど。
褒められるときはニコニコして恥ずかしげもなくでてきて、ネガティヴな意見は封殺するのではあまりに身勝手というものです。
表立って「ネットの批評が嫌」とは言えないのでしょうが、ヨイショも批判も大きな気持ちで飲み込む度量をなぜ持てないのか。別に店先に批評記事を張るつけられるわけではないのですから。
こんな考えが鮨職人の本流であるとは思いたくありません。
鮨職人にブログ主催者だろうがオタクだろうが、一人客を堂々と受け入れる度量を期待します。

2006年06月11日

鮨屋の仕込みはやはり簡単だった!

ご意見、ご感想のためのメール投稿の機能をトップ画面に貼り付けらました。お気づきの点、ご意見、ご指摘などありましたらよろしくお願いします。

さて先日、信頼できる知人から面白いネタを入手しました。
都心で雑誌には載らないながら評価の高い若手の主人の鮨屋でのこと。
常連客と主人の会話だそうです。

常連「和食の連中の仕込みや修業は半端でなく大変らしいね」
主人「そうなんですよ。和食の連中は覚えることもかなり多く大変らしいですね。
   仕込みもふくめて和食に比べたら鮨は楽ですよ。鮨の連中ではつとまりません」

最近は和食の分野でも30歳前後の若手が独立して店を構えるようになりましたが、和食の修業歴のないことをウリにする料理人はないでしょう。そんな店、誰も行きません。
反面、鮨屋では何回も書きましたが、修業歴が数年、数ヶ月、いや和食で修業したが鮨屋での修業経験なしを堂々とウリにしている店があるくらい、修業歴はあまり重要視されていません。
「さわ田」、「なかむら」などがそれに相当しますが、他に江戸前拘りの有名店や老舗店でない、まったくの街場寿司出身でも評判になっている店もあります。銀座の「くわ野」なんかそうですね。

評判の鮨屋の主人が和食と比べられないくらいレパートリーもなく楽だと認めてしまっている鮨屋の仕込み。
鮨屋はシビアに評価されるお椀など出汁に神経を使うことはありません。
焼き物の技術にしても、穴子くらいでしょうが、この炙りを厨房奥の若い衆や女将に任せている鮨屋が
ほとんどですから、たいした技術は必要ないようです。
煮物といってもハマグリや穴子、烏賊くらい。蒸し物は鮑くらいか。
扱うタネもかなり限られていますし、基本は握り鮨だけ。下手に変わったタネやツマミ料理を考えたら、
江戸前鮨ではないと批判されてしまうくらい、ワンパターンな仕事の業界です。

「江戸前」は「男前」に通ずるとか変なことを言い出してヨイショする山本益博氏、鮨技術を必要以上に
拡大評価、神聖化した里見真三氏。
和食よりぜんぜん楽と発言する評判鮨店主人、修業歴の少ないもしくはない鮨屋が、「次郎」などの古手のお気に入り鮨屋とたいして食後感の変わらない鮨を提供している現実をどうお考えなのでしょうか。

鮨はタネ質が一番、酢飯や握り、仕事の技術は二の次だということではないでしょうか。