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2008年05月03日

今年になって訪問した店 短評編 3

船場吉兆の「料理の使い回し」がまたまた問題になっています。
再開前の話だとのことですが、この時点での発覚は致命的なダメージになるかもしれません。
しかし、揚げ物を揚げ直す、焼き物を再度焼く、なんて美味いはずありません。火が入りすぎるではないか。家庭でやっているような再利用に驚きました。
すべての飲食店で「使い回し」がないとは誰も思っていないでしょうが(特に廉価な店)、料亭や高額店での使い回しは信じられません。
揚げ物や焼き物でも再利用するということは、煮込みなんか簡単に出来るのではないかと心配してしまいます。

さて、今週も3店の短評です。

レストラン ひらまつ
好きな部類のレストランだったのですが、残念な食後感となりました。
こんなに軽い味付けだったか、と思う前菜の調理が続きました。
鳩とオマールは見た感じは現在の「ロオジエ」に近いと思われる調理でしたが、レベルは落ちるか。鴨フォアグラのキャベツ包みも昔よりかなり軽くなった気がしました。
逆に鴨のローストは塩がきつく、仔羊のラメルは玉葱の甘みの割に仔羊の風味が感じられなかった。
グラスシャンパンが2100円以上などワインも高いし、チーズの説明も満足に出来ないのにサービス料が15%。再訪する魅力はなくなりました。

とうふ屋 うかい
この店が「和食の1つ星」とは笑わせてくれるものです。
2000坪の敷地に普請が高いと思えない大仰な大箱建物。土産物専門の建て屋までありますから、京都は嵐山の観光客専門廉価和食みたいな雰囲気です。
道にはハイヤーやタクシー、運転手付きの自家用車が沢山駐車していましたが、こんな店で満足できるとしたら、「接待族」のレベルは低いとしか言いようがありません。
造りについてきた「混ぜ山葵」、JCオカザワではないですが、1つ星和食で出すものなのか。当然刺身の質もよくありません。
お椀の出汁も低レベル、ウリの豆水とうふも「松の葉昆布」などアミノ酸調味料入りの助っ人がついていました。
だいたいこんな大箱ファミレスみたいなところで、まともな出汁を引いた和食が提供できるはずがありません。物理的に無理であります。「うかい」の名の入った運搬車が都内を駆けめぐっていますから、セントラルキッチン式を採用しているのかも。
ここが1つ星なら、客単価1万円以上の和食屋はほとんど星がついてしまうはずです。

五空
西麻布のモツ鍋屋。結構盛況なようです。
自慢の餃子、数種のハーブを使用した秘伝の薬味とありますが、私には「葱とゆず胡椒」にしか感じません。
5000円する馬刺しも価格の割に美味しくなかった。
炙りモツ鍋はモツが噛み切れず、塩モツ鍋もどうってことない。
焼酎で節約しても一人1万2000円は食後感を考えると高かった。
再訪はしないでしょう。

2008年04月26日

今年になって訪問した店 短評編 2

関谷江里さんへ再び質問メールを送っているのですが、痛いところを突いた内容なのでまだ返事がありません。
読者の方からも最初は数分で返事が返ってきたのに、突っ込みを入れたら1日経っても来ない、と教えていただきました。
日曜までに返信がなければ、送った私のメール内容を公開しようかなと思っております。

さて、日刊ゲンダイに取り上げていない訪問店の短評です。

シェ 松尾
食後感がこれほど悪いとは・・・
1つ星とったのに客は3組だけ。ワインリストはほとんど売り切れで更新していない。料理は原則コース1種だけ。
そして肝心の料理がまた良くないのです。一軒家レストラン、バンケット主体レストランの使命は終わったかも。

田はら
星とって盛況になっていました。でも相変わらず女将の態度が無愛想でよくありません。
ミシュランに載っていた「地ハマの吸い物」などはなく、汁ものは「味噌汁」だけ。刺身の質も普通レベル(翌日行った「山利喜」のマグロの方が美味しかった)で、後は味噌漬けの焼き魚とキンキの煮付け、そして鰺フライだけの定食屋であります。
和食でちゃんと修業していないので仕方ないでしょうが、ここが「星付き和食」は悪い冗談だと思います。
最近昼営業を辞めたと聞きました。かなりの勘違いだと思います。昼のみ行く価値がある店ではないでしょうか。

かんだ
ここが3つ星も何かの間違いでしょう。悪くはないですが、この食材とこの調理で3つ星なら、銀座の1万円和食は皆星付き、2万円以上の和食屋はほとんど3つ星になってしまうのではないか。「京味」は6つ星くらいですね。
2番手男性の目立つピアス、かなりの違和感。元ヤンキーなんでしょうか。

2008年04月12日

最近訪問した店 短評編 1

日刊ゲンダイのコラム「行っていい店わるい店」が4月からお休みとなっております。よって秋に再開(あくまで予定です)するまでその原稿を半週間遅れでアップしていた「店評価ブログ」もお休みです。
「覆面辛口料理店ライター」とか「覆面コラムニスト」と自称している友里の公式サイトで「店評価」がないのは変ですので、この「トモサト ブログ」でまた08年版の「短評編」を再開することにしました。
本日は第一回です。「最近・・・」と称しておりますが、特定されることを避けるため、世間一般の「最近」ではありません。この「最近」は数ヶ月以内と考えてください。

おすしやさん 西麻布
変わった店名であります。雑誌で紹介されていた主人一人、よってセルフサービスによるフリードリンクで、一人1万5000円予算と価格を固定している寿司屋であります。
どこで修業されたかわかりませんが、若い主人はちょっと偏屈。「急いでますか?」、「ゆっくりして行ってください」が口癖のようですが、あまりにマイペースなので、2時間以上かかってしまいました。「次郎」のように急かされるのも嫌ですが、ゆっくり過ぎるのもいかがなものか。何事も適度というものがあると考えます。
スシですが、私が「寿司」と書くことから、あまりいい印象は持っていないと容易に想像がつくことでしょう。西麻布近辺にはそれほど傑出した鮨屋はありませんが、その中でも平凡というか、ちょっと「江戸前」とは違うと思います。

雛鮨 六本木
行かなければ良かった。今まで築き上げたスシのイメージが一気に崩れ去りました。学生時代の仲間の集まりで、「スシ食べ放題、飲み放題で5000円」に急きょ参加を決めたのですが・・・
注文は各テーブルで紙に書いて出すのですが、最初の一皿(といっても人数に見合ったかなりの数)は店が勝手に見繕って出してきます。店にとって都合の良いタネを使って、ある程度お腹を一杯にさせる戦略のようです。
タネは回転寿司レベル並のようで、街場の寿司屋よりがっかりするかも。
ここへの訪問を2回弱我慢すれば、麻布十番の「まつ勘」へ行けます。私なら今後はそうするでしょう。
同じ店内では「しゃぶしゃぶ」の食べ放題もありますが、このスシの食後感から考えて、訪問するのをやめました。

けやき坂 六本木グランドハイアット内
ホテルについてからもアクセスの悪い店。6階の飲食店フロアを通り越し、奥のヒルズ側の階段を降りなければたどり着けない辺鄙なところにあります。
以前はバイキングもある「北欧料理店」だったそうで、不振から鉄板焼に変わったそうです。ミシュラン1つ星なので、「モウラ」の取材のために訪問しました。
まずはワインが高過ぎます。リストもシャンパーニュが10種、白が20種  ほど、赤も27種とプアなものなのですが、なぜか「葡萄マーク」が付いている不思議。コースも1万7000円以上と高過ぎです。
味濃いマグロのタルタルにはニンニクを使用しているのに、肝心の牛ステーキは「欧州式」だとかで基本的にはニンニクを使わないそうです。
それなのに、ゴマソース(ゴマ 味噌 みりん)やトマトソースなど味濃いものを用意しています。シンプルに塩でいただきましたが、それほどの質を感じませんでした。
値付けの高いワインの中から絶対額の安いワインを頼んだとしても、一人3万円近くかかります。
この食後感では、再訪はないでしょう。同じ鉄板焼でも近辺の西麻布「馨」の方がはるかに満足します。

2007年12月26日

年間ベスト10 おススメのお店

小笹寿し 銀座
延期になったようですが立ち退きの要請があったようです。あの立地から立派なビルに移ったら、値上げしなければクオリティが保てないでしょうからとりあえず良かった。
ミシュラン掲載を拒否したのも立派。繁盛店ですからこれ以上流行ったら入店できなくなります。
タネの種類も多く、ツマミを食べたら握りすべてを制覇するのはよほどの大食漢でなければ無理でしょう。

鮨 さいとう
元「鮨 かねさか 赤坂店」。いつのまにか任されていた人が独立して店名が変わっておりました。
ふらっとやってきた山本益博氏を特別待遇しなかったので、その後寄り付かなくなったと豪語していた主人は当然掲載拒否すると思っていたので、ミシュラン一つ星は想定外で驚きました。わずか6席の店、気軽に入店できなくなりました。
清潔な店内、タネ質も上レベルで酢飯にそれほど個性はないですがバランス良い鮨だと思います。久兵衛出身でも良い店はありますね。つけ場の氷冷蔵庫、いくつかダミーもあるようです。

くわ野
てっきりミシュランに掲載されるかと思っていました。今年も知人と訪問し、満足して帰宅した次第であります。
ツマミも豊富で酒飲みも急かされずゆっくり楽しめる銀座の若手の中ではトップレベルの鮨屋だと思います。

銀座 奈可久
金春通り、「久兵衛」や「くわ野」に近接するビルにこの夏移転してきました。
ツマミにちょっと素人受けするタネを増やしたからか、いくらか価格は上がったようですがそれでもCPは良いでしょう。
相変わらず蛸の桜煮は美味しい。太巻きもグッド。主人も人がよさそうで雰囲気悪くなく個人的に再訪したい店であります。

京味
毎年同じような料理がでてくるなとは思いながらも通ってしまう(と言っても高いので年に数回)お店。ミシュランに掲載拒否したのは当然でしょう。固定客がほとんどですから。
この店を掲載できず、「かんだ」などに3つ星に与えてしまったミシュランは、日本人にとってまったく利用価値がないと言えます。

花霞
京都は祇園の和食。料理長が来年1月で店をやめるということで最後と言う意味での久々の訪問。
独立するそうですが現時点ではまだ場所も決まっていないとか。雇われから独立店になることで、よりCPが向上するのではないかと勝手に期待しております。

吾妻
こんな高額な洋食屋が一軒くらいあっても良いのではないか。オムライス、ハンバーグ、豚カツレツなどが3500円前後。比内地鶏のカレーは5000円、ビーフステーキに至っては1万2000千円だとか。
確かに高い値付けだと言われる洋食屋の中でも、私の知る限り最高値の店ですが、他の洋食屋とは一線を画す調理の丁寧さ、食材の質の高さがあります。
話のタネには良いのではないでしょうか。主人や2番手も気さくな人です。

ロオジエ
予想通りの3つ星。「カンテサンス」と「ロブション」だけで3つ星からこの店を外したらミシュランの権威は地に落ちるどころか地に潜りこんだことでしょう。
4万円のコースまで登場させた割に、アラカルトの品数は増えないなど不満な点もあるのですが、トータル的には東京最高峰のフレンチです。
客が増えすぎてワインが足りなくなったのか、奈良だか生駒の値付けの安いワインショップにオーダーを出したと漏れ聞きました。

ボン ピナール
今まではワインの値付けの安さだけの店だと思っておりましたが、久々の訪問でビックリ。料理もかなり美味しくなってきており、それほど皿出しの遅さも感じなくなりました。
相変わらずシャンパーニュはじめスティルワインも皆安い。高い店と比べると半値に近いのではないか。
料理良し、ワイン安い、と今回の再訪で見直した次第です。
ワイン含めてこのCPだと、近辺の「ブルギニオン」の脅威になると考えます。
あまり人気になって予約が取りにくくなると常連客は怒るでしょうね。

トラットリア デッラ ランテルナ マジカ
目黒のイタリアン。ワインの値付けも安く、ボリュームある料理は価格を考えると満足します。あくまでCPだけの判断です。
あの立地で結構盛況でありましたから、知る人たちには有名な店なのでしょう。

以下の2店はおまけです

龍吟&小十
ミシュラン掲載のご祝儀でまとめて一言。
奇を衒い過ぎる創作に奔り過ぎ、以前よりクオリティが落ちてきた、といった話もいくつか耳に入ってきます。
確かにちょっとやり過ぎではないか、以前はもっと満足したかな、とも思うようになりましたが、ご両人には初心を忘れず頑張ってもらいたいものです。

2007年12月25日

年間ベスト10 やっぱりダメだった編

あら輝
久々の訪問。まだ夜2回転を続けております。
横一列に並ばされて同じツマミや握りを次々置いていく様を傍から見ると、客はまるでブロイラーではないか。
星鰈、蒸しアワビ、ウニとそれほどのものを感じません。
握りも手数が多く、酢飯は特徴なくやや粘つき気味。ウリのチョモランマ、中トロ部分を3人分まとめて手巻きで出してくるものですが、タネさえあれば家でも出来るようなもの。感激のあまり涙ぐむ信奉者の客もいましたが、このサロン化した雰囲気が主人を勘違いさせ、マスコミを惑わして日本有数の鮨屋に仕立て上げてしまったようです。

田吾作寿司
怖いもの食べたさで今年も行ってしまいました。相変わらず酢飯は変で、アン肝レタス巻きも健在でしたが美味しくない。創作寿司が完全に悪い方へ進んでしまっていると判断します。私と同じような意見がアスクユーのレビューにもありました。07−01−12付の書き込みです。
http://www.asku.com/RV/010R/?_item_id=6052385&area_id=13

寿司 はせ川
島田紳助のお店。ジョージアンクラブの対面にあります。職人がイヤホンとマイクをつけている変な寿司屋。有名人の店の割には訪問時(オープン一か月後)客が少なかった。
タネ質、仕事、握りとまったく凡庸。これでは近辺の数ある高額鮨屋(図抜けた店はないですけど)とも勝負になりません。大阪からの進出は東京の鮨屋のリサーチ不足と言えるでしょう。伸助は標準以上の高額鮨屋を東京で食べた事があるのでしょうか。
ちなみに「はせがわ」は紳助の本名だそうです。

山田チカラ
旬香亭メルカドのシェフが独立したのはいいのですが、何を勘違いしたか茶道に関心をもって創作和食の店にしてしまいました。(元はスパニッシュ)
醤油のヌーベや粉末フォアグラも今や珍しいものではありません。勿論美味しいものでもない。10皿の料理のうち、トマトソースものが3皿もありました。
結構造り置きの料理が多いです。

ぎたろう軍鶏 炭火焼鳥 たかはし
この店の焼鳥を褒めている人、たとえば過食のオコチャマなどまともな焼鳥を食べた事があるのでしょうか。
炭の火力が弱く蒸し焼きみたいな焼鳥は、質も良くありません。入居している雑居ビルに見合う、凡庸レベルの焼鳥です。

すぎ田
全くの過大評価のトンカツ屋。衣がすぐ剥がれ落ちるトンカツ、ただ大きいだけの冷凍海老フライ、と旨みなく質も良くない。人気のプレーンオムレツも凡庸でした。
驚くべきはポークソテー。ソテーとは名ばかりで、冷凍肉をかるくフライパンであぶってオーブンで加熱しています。最後はフランべの後、じっくりバターと醤油で煮込んでいますからただの甘ったるく味濃い煮込みみたいなもの。間違っても頼まない方がいいでしょう。

京都和久傳
「あぶらぼう」事件以来の訪問かも。昔の盛況さは影をひそめ、年末近い週末の昼時だというのに半分も客は入っていません。
まだ室町和久傳と料理長が兼任なのかわかりませんが、ますますおかしくなっております。やたらと味付けが濃い。いくつかの料理に粒山椒を多用しているのも気になりました。
お椀ダメ、炊き合わせもダメ、鯛茶も海老芋も山椒強すぎて、まるで業界人向けの味付けでした。

竹やぶ  六本木ヒルズ
とにかく量が少なくて高い蕎麦屋。出汁も少なくて蕎麦湯も満足に楽しめず1260円ですから呆れます。肝心の蕎麦もそれほどではない。
ツマミも高い。おススメのゴボ天、わずかな量で735円は牛蒡の旨みなし。冷やし蕎麦掻、夏限定で小さな塊り2つにそれぞれ胡瓜とトマトの細切れが入っているだけで1470円。まったくのアイデア倒れでありミスマッチであります。これで1つ星はいかがなものか。

アッピア アルタ 西麻布
「まっくろう」が1年持たず、あの南麻布の「アッピア」が支店を出してきました。前菜はお約束の「おばんざい」のようにカートに大皿でプレゼンされます。冷、温と種類だけは豊富なれど調理レベルは普通。年配客向も安心の「洋食」に位置するような調理であります。
パスタは乾麺と手打ちの2種しかなく、調理法も少ない。メインは岩手牛、山形牛、豚、子羊の4種がカートでプレゼンされますが、基本はグリルしかありません。
熟練のプロの調理と言うより、経験の浅い厨房スタッフのわかりやすい家庭料理の延長線上と言えるでしょう。

ポール・ボキューズ ミュゼ
単なる美術館内の高額ファミレスか。本店のメゾンもたいしたことないけど、ここは更に食後感が悪い。
ポール・ボキューズの日本進出はこれで3回目のチャレンジなのですが、ブラッスリーとしては初めてリヨンを出たからか、初進出みたいな間違った印象を一般客に与えてしまっているのは罪なことです。

2007年12月21日

年間ベスト10 予想外に良かった編

鮨 福元
HPで毎日ネタの更新をしている下北沢の鮨屋。主人は饒舌です。
天然ものしか扱っていないと豪語する割に支払は1万5千円前後とリーズナブル。この支払なら、赤酢の酢飯、タネ質、仕事は充分であると考えます。

銀座 青空
「すきやばし 次郎」の3番手の独立店。タネ質、仕事は次郎とほとんど大差なく、アン肝などのツマミも出て、それで次郎の半額に近いですからこれはおススメというものです。酢飯はちょっときついかもしれません。

くしかんざし 久
京都・先斗町のどちらかというと創作系に位置する和食屋さん。元はその名の通り串揚げをやっていたとの話も聞きます。マスコミ取材は原則お断りとか。
和久傳へ入る前の「幸村」の主人も短期間ですが修業していたそうです。
純粋な京料理に飽きた時や京都に何泊もするときの一晩には、この変化球京料理は面白いでしょう。高級食材テンコ盛りですから業界人にもウケるはず。

鉄板焼 馨
西麻布の隠れ家的な鉄板焼。「臼杵ふぐ 山田屋」と同じマンションの地下にあります。
ホテルの鉄板焼の真ん中の価格に値する1万6800円(この店では最高値)でホテルの高価格のコース内容が供されます。
ホテルの鉄板焼に肉質、調理技術の違いなし。これ定説です。プリンスホテル出身の料理人のこの店、ホテルへ行くくらいならこちらで充分であります。

英ちゃん冨久鮓
大阪・難波近くの高額寿司屋。ネーミングセンスで判断するならば、絶対避けるべき店ですが、食後感は意外に良い。特別に仕入れる重量級の天然フグ、焼きフグで供されるそれは話の種にぜひ一度。

けせらせら
東京カレンダーなどに派手に宣伝されていたダイニング和食だと軽く考えていたのですが、なかなかまともな料理を供します。
ワインをウリにしているので料理は安いけどバコバコ飲むと支払が高くなるのが難点。ワインをグラスのお任せで頼むのは避けたほうがいいでしょう。

ハル・ヤマシタ
自信過剰に見える主人のHP上での発言などを見る限り、絶対駄目だろうと訪問したのですが、CPは悪くなかった。神戸牛をメインにする一番安いコース(昼は5千円前後?夜は7千円弱?)で充分。メイン以外の突き出し、前菜など他の皿は原則各コース共通です。
しかし読者の方から店の客対応の粗さについての指摘メールをいくつもいただいております。その点はご注意ください。

銀座 ラ・トゥール
今回ミシュランで星付いてホッとしていることでしょう。かなりの閑古鳥が店内を闊歩していましたから。
3つのコースのネーミングにセンスがなく、古典的なソースを使う重厚な味付けですが、料理自体は悪くないと思います。
グラスワインは高いですがボトルワインはそれほど高くはないでしょう。

ラトリエ ドゥ ジョエル ロブション
オープン当初からかなりの回数通わせていただいております。シェフが変わったようで料理がかなり美味しくなりました。
ただカウンターなのにサービス料をとり、ワインが高過ぎる(特にグラスワイン)のが最大の問題点。
運営会社フォーシーズ(ピザーラの会社です)には、もっと良心的な値付けを期待します。

アロニア ド タカザワ
一日2組限定の赤坂のフレンチ。オコチャマ推薦の店でしたが、意外に面白い店でした。
創作フレンチなのですが友里的にも何とか許容範囲以内の調理。しかしこのまま創作にはしり過ぎると行き詰るか、滑稽な料理になる危険があります。
スティルワインは日本製で価格はかなり高いものしかないのと、店内の換気が悪く煙が充満するのが難点。

2007年12月19日

年間ベスト10 期待外れ編

いよいよ今年も押し迫ってきました。デビューから4年半超、今年もなんとか無事に年を越せそうです。この一年、ブログのほか、日刊ゲンダイ、週刊現代、女性自身、週刊朝日、朝日新聞、文藝春秋、TV東京とマスコミ露出も少しずつ増えてきました。初心忘れず勘違いしないように今後も気をつけていく所存です。
ここまで来れたのは本当に読者の皆様のご支援の賜物と感謝いたします。来年もどうぞよろしくお願いします。

さて今日から4回にわけまして友里の年間ベスト10を書いていきたいと思います。ただし普通のベスト10ではへそ曲がりな私としては面白くない。そこで、
1、期待外れベスト10(新規訪問に限定)
2、意外に良かったベスト10(同じく新規訪問)
3、やっぱりダメだったベスト10(再訪も含む)
4、おススメのベスト10(再訪含む)
にわけました。
今日は期待が大きかっただけにその落胆ははかり知れない?お店10店です。
順位は関係ありません。

鮨 はしぐち
一説には東京最高との噂も聞いた「沈む握り」がウリの店。2回の訪問でしたが、確かに2回目はその沈みが確認できました。
しかし沈んだからと言って味わいに違いがあるものなのか。ツマミになかなかのものがあり、トリガイなども良かったですが、タネ数少なくそれほどの質の高さを感じません。主人の掌のあまりの大きさに驚きました。ただし、支払はそれほど高くはなく小食の方ならCPは良いでしょう。東京トップと期待して行くとちょっと落胆します。

鮨 武蔵
マスヒロさんが酢飯と〆物を絶賛していた青山の新店。訪問してはじめてわかったのですが、西大島の「與兵衛」を手伝っていた人の独立店でした。修業先の店より立地も内装もかなり立派。そして鮨もまったく「與兵衛」と違ったタイプの寿司でありました。修業していても「與兵衛」の鮨が好きではなかったらしい。
主人が「普通の鮨屋です」と言っていたように、タネ質、仕事と普通でした。

川喜
芦原温泉近くの三国港の越前蟹をメインにする高額店。週刊誌でマスヒロさんも煽っておりました。
うーん、二人で越前蟹1杯のコースで充分(それでも一人3万円強)ですが、茹で出汁を使いまわしているのか蟹が不自然なまで濃厚味。最後は胸やけしました。
地元福井出身の知人に聞いたら、地元民は近寄らない店だとのこと。もっと美味しい献上品を扱っている浜茹での店は他にあるそうです。

四川料理 川菜館
伊藤章良氏が「四川料理が中心。赤くて美しくて奥深い、絶妙な辛味が堪能できます。」と褒めていた四川料理店。かなり期待して行ったのですが、実態は街場の四川風中華でした。辛い料理、確かに赤いのですが、コクというか旨みがない。辣油、豆板醤、甜麺醤などがダメなのでしょう。
麻婆豆腐1000円、水煮牛肉2500円など量のわりに価格は安いのですが、味はまったく街場それなりでした。
芝蘭や四川一貫の食後感とは比べ物になりません。

井雪
「京味」から独立して1年経ってこなれたかと訪問したけど落胆。価格は京味の2/3(それでも2万数千円)なれど、味わいはまったく異なります。妙に味が濃すぎる。業界人や年配客専門の味付けでした。常連に玉子焼きやカレーまでだし、金持ち優遇の接客が見え見えだった店でありました。
「京味」の主人、西さんが注意したとかでもうカレーは出していないそうです。

ラ キャンタン
駒沢大学駅近くの、カウンターベトベト、女性シェフは社会常識ないかと思われるほど無愛想な自称ビストロです。期待して行ったのですが、料理もチョイ調理で美味しくありません。
近所の「クワン」の方が数倍満足します。

オーベルジュ ド リル ナゴヤ
高過ぎる。特にワインの値付けが目を疑うばかりの強気。トリンバック(アルザスのメーカー)の一番安いリースリングで1万2千円ですから驚きです。
スペシャリテのフォアグラテリーヌも他店の上物との違いがわかりません。
安いワイン(といっても絶対値は高い)を控え目に飲んで、一人5万円弱は普通怒るでしょう。

ラ ボスケッタ
キオラ時代の鵜野シェフの料理が好きだったのですが、完全な期待外れ。ガラス食器で供される多皿料理はどれも小ポーションで印象に残りません。
イタリアワインの品ぞろえもまったくプアでした。

イル・リストランテ・ネッラ・ペルゴラ
犬養裕美子さんおススメの店。過食のオコチャマも褒めていたので嫌な予感がしたのですが、これまた期待外れでした。
後で周りの人に意見を聞いたところ、かなり評判が悪い店のようです。プリフィクスで選べる料理の種類は豊富なんですが、どれも凡庸。ロンバルディア専門店とオコチャマ言っているけどそんな料理はほとんどなかった。オコチャマには一度海外へ行って研鑽して来てもらいたいものです。

イル カランドリーノ 東京
3つ星提携店ということで期待したのですが、ご多聞にもれず多皿で小ポーション。いくつかのスペシャリテもまったく凡庸でありました。
イベリコ豚の24時間ロースト、繊維質もなくなるくらい火入れ過ぎで、何の食材かわからないほど。最後のチーズが一番おいしかった。

2007年11月18日

友里征耶の星格付け

読者の方から、ミシュランの評価基準と関係なく友里流に1つから3つ迄の星つけをしてみたらどうかとのメールをいただきました。
ミシュラン、友里のどちらが一般読者、一般客に良い店の情報を提供しているかを比べられるという意図だそうです。
ミシュラン掲載店が発表される前にブログで公開するとなると期限は19日までになりますので突貫でしたがなんとか形だけ間に合わすことができました。

☆☆☆
CP度外視してそれこそ皿(料理)だけで判断しお店。例外としてワインサービスで選んだ店もありますが、各ジャンルに一店だけ、支払額を気にせずまずは味わってみるべし。

和食:京味
フレンチ:ロオジエ
ステーキ:あら皮
中国:福臨門(予算を惜しまず事前に相談した場合に限る)
イタリアン:エノテーカ・ピンキオーリ(ワインディギュスタシオンはワインオタクには大変お得で魅力的)
フグ:銀座 福治
天婦羅:楽亭
鮨:宮葉

☆☆
季節ごとに再訪したい店

和食と天婦羅:と村、龍吟、小十、深町
フレンチ:北島亭、ブルギニオン、ビストロ ド ラ シテ
イタリアン:ASO(代官山)、クチーナ・ヒラタ、アッカ
中国:四川(元都ホテル)
鮨:銀座 小笹寿し、鮨 水谷、すし処 ととや、くわ野
フグ:臼杵ふぐ 山田屋(冬だけ)


リーズナブルで普段使いにも向いている店

和食系:山さき、世良田、すゑとみ
フレンチ:ラミティエ、ラシェット・ブランシュ、ラ・リューン
イタリアン:オステリア・ナカムラ、たまキャアノ、ドン チッチョ
中国&韓国:四川一貫、龍水楼、古家庵
鮨:神泉 小笹、弁天山
ステーキ:チャコ 六本木

番外編
行かなくてもいいけど話のタネに1回はいいかも

ニンジャ アカサカ:味ではなくサプライズ料理と手品や仕掛けだけがウリ
東ポウ:痺れるだけで味を感じない麻婆豆腐をぜひ
天一山:よくまあ天婦羅でこれだけふっかけられるなと感心したい方
味満ん:東京一高いフグ店へ行ったという自慢がしたい方
さわ田:鮨はタネ質を上げることでかなりカバーできることを確認したい方
トトキ:料理は良いけどワインが高すぎ

2007年10月18日

途中報告 友里征耶・今年のワースト10 その2

和食
山田チカラ 南麻布
エル・ブジで修業し山田氏は「旬香亭」グループでスパニッシュを造っていたはずなんですが、何と独立して創作和食に転向してきました。
主人は狭い厨房に籠りきりですが、でてくる料理は作り置きのようなものが多い。また、造りに供される醤油のヌーベはやめてもらいたい。ヒネたようになってしまっています。
10皿のコースで、トマトソース物が3皿あるのもいかがなものか。調理側としては楽なんでしょうけど。偶然冷蔵庫の中に、業務用のキューピー「凍結卵白」がストックされているのを見つけてしまいました。調理は主人一人で、業務用を多用しているのかもしれません。
客は業界人とタレントが多いようで、私が訪問した時も女優がいました。他にお菓子関係のライターらしき人もいましたから、それだけでも期待できないことがわかります。



鮨 たなか  西麻布
鉄板焼「天」、焼肉「綾小路」、鉄板焼「黒田屋」などを展開している「(株)テンスターズダイニング」が寿司に進出してきました。
カウンターが高く食べにくいし、BGMがジャズ系と最初から江戸前鮨とは一線を画するコンセプト。
岩牡蠣はまだゆるせるとして、毛蟹が出てくるのはいかがなものか。J.C.オカザワくらいしか寿司屋で毛蟹を必要としないでしょう。
アワビも生だけでしたし、まったく普通の海鮮系寿司屋でありました。
明細がでる明朗会計をとっているのは評価できます。
しかし、近所には「いのうゑ」、「廣瀬」、「和心」(現在は2丁目に移転して「藤森」)と支払額に対して寿司のレベルに疑問の店が存続している西麻布。激戦区ではあるようですが、寿司屋に要求する客のハードルはかなり低いのかもしれません。つまり客のレベルが銀座ほど高くないということかも。


その他

ぎたろう軍鶏 炭火焼 たかはし  五反田
この店が入っている雑居ビルを見ただけで、結果は想像できるというもの。
過食のオコチャマ・来栖けい氏はじめ経験少ないけどプライドだけ高い副業ライターも絶賛していますが、本当に美味しい焼鳥を食べた事があるのかと私は問いたい。
火力が弱い炭火台で「蒸し焼き」したみたいな焼鳥は、質もたいしたことなくまったく美味しくありません。
評判の親子丼もレバーもどうってことないものでした。


基順館 板橋駅
「おとなの週末」でも掲載していたので、紹介制の店ですが取り上げます。
この支払(1万5千円超)でこれだけ和牛ヒレが食べられるのですからCPだけを考えたら最高。ヒレ自体も上質。でも友里は再訪する気がおきません。
理由はビールがなく、酒は甘めの日本製ワインだけ。酒好きには非常につらい店なのです。
一日一組がウリですが、全然くつろげない。最初から最後まで主人の自慢話に付き合わなければなりません。和田金の社長がきて驚いた、嵐山の吉兆の主人が褒めた、政財界や高級官僚もやってくる、など主人のマシンガントークは最後まで衰えません。
いくらヒレがあっさりしているとしても、最初から最後までヒレ攻めされては飽きが来るというもの。主人はロースなど脂系の牛肉を否定しているようですが、途中に出た豚のスペアリブは非常に脂っぽかったのが不思議です。

インディアンカレー 丸の内
自称農産物流通業者、私的にはただの食材・居酒屋宣伝ライターにしか見えない「やまけん」さん。かなり知名度高く影響力があるのでしょうか、「東京バルバリ」など、彼のベタ褒した店は釣られた客で繁盛しています。
そしてこの「インディアンカレー」、HP制作にも関与するほど癒着、失礼密着しているようで、やはり絶賛しています。
しかし中身は何のことはない、古典的日本風カレーでありました。小麦粉入れ過ぎかトロミが強すぎ、色々な香辛料を使った複雑な香りや辛さはなく、辣油を使ったかのような直線的な辛さだけ。
厨房の狭さを見る限り、セントラルキッチンで大量に送りこまれたルーなんでしょうけど、居酒屋がホームグランドの「やまけん」さんならではの推奨であると考えます。
昼に時間がとれず近所なので仕方なく食べに行くか、といったカレー屋さん。わざわざ出向き、行列に並んでまで食べる店ではないと考えます。

2007年10月17日

途中報告 友里征耶・今年のワースト10 その1

今日からワースト10となります。ワーストといっても今年訪問した店の最下位から10店という意味ではなく、雑誌などマスコミ露出の割に期待を大きく裏切られた店など負の意味で印象的だった店であります。

フレンチ
ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ 六本木
180名のキャパを誇る、ヒラマツグループの美術館内「高額ファミレス」。
こんな大箱で支払額に見合ったまともな料理やサービスが得られるはずがありません。詰め込み過ぎでこれならその辺のファミレスの方がゆったり食べられるでしょう。冬にコートや荷物を預かるスペースがあるのでしょうか。
キャッチも問題。「ポール・ボキューズが日本に初上陸」のようなあらわし方をしていますが、正確には「ブラッスリーでは日本初」が正しい。銀座、赤坂アークヒルズと2回も「ポール・ボキューズ」を冠したレストランはありました。もう日本は懲り懲りと言っていたボキューズさんをヒラマツグループが説得して3回目の上陸になったと漏れ聞いております。

ラ キャンタン 駒沢大学
女性シェフのカウンタービストロ。かなり期待して訪問したのですが、料理は完成度低いものばかりでがっかり。ラタトゥーユ、シュークルート、トリップ、仔羊クスクスと深みのない味付け。調理スペースはかなり狭いですから「業務用」の調味料や出汁を使わざるを得ないのかもしれませんが、まったく薄っぺらな味わいでありました。
でも問題はシェフの態度。ホント、愛想が悪いんです。狭い店なので客が入ると顔というか目が合うのですが、会釈もなにもしない。勿論「いらっしゃいませ」の言葉もない。無愛想な顔のまま。嫌々造っているのかと思ってしまいます。また、カウンター上に脂がこびりついているのかベトベトしていたのも気になりました。
近くの「クワン」とはまったく異なる悪い食後感でありました。

イタリアン
イル・カランドリーノ トーキョー 新丸ビル
イタリアでは最年少で3つ星とったシェフの提携店。オープン当初は昼夜行列ができていました。
コース対応ですが、総量が少ない。また、カルボナーラ、サフランリゾット、
イベリコ豚のローストなどスペシャリテも量少なくたいしたものではありません。
特にメインのイベリコ、70度で24Hrローストがウリですが、肉の繊維質がなくなってしまって食感がなく、食材が豚だか何だかわからなくなってしまっています。旨みも残っておらずイベリコを使う意味がないと考えます。

ラ・ボスケッタ  白金
この店も大きく期待を裏切ってくれた店でした。「キオラ」時代の鵜野シェフの料理は好きだったのですが、ガラス食器販売会社とコラボで出したこの店は、コンセプト失敗ではないか。
コース制しかないのはまあ許すとして、7500円以上1万円台が2つと高いのはいかがなものか。その割に、少量ポーションの料理が7皿くらいしかでてきません。ハーブを利かせた繊細な料理ではなくなり、見た目とインパクトある味だけになってしまいました。
ワインリストもプア。イタリアワインはわずか42種。フランスワインの掲載ページの方が多いのですが、この意図がわかりません。


和食
井雪  銀座
東京で最高レベルに位置する割烹「京味」である程度任されていた人が昨年独立した店。食べ歩いている社長ブログなどネットでも絶賛されていたのでかなり期待していたのですが、これまたガッカリでありました。
まず料理が京味とはかなり変わっておりました。質は別にして食材のルートなどは同じようですが、調理がまったく違う。経費族、年配客を狙ってか、わかりやすい濃い味付けになっておりました。
主人や女将の接客にも疑問。羽振りの良さそうな客なら、初訪問でも掌スリスリ。また、遅くに入ってきた常連客には、カレーを振舞っていましたが、2万円以上支払う狭いカウンター割烹で、隣からカレーの匂いを漂わせて良いものなのか。現在はカレーなどまかない料理を出していないといった話を聞きましたが、手遅れか。
接客含めて修行店のオヤジさんを今一度見習ってもらいたいものです。

(つづく)

途中報告 友里征耶・今年のワースト10 その1

今日からワースト10となります。ワーストといっても今年訪問した店の最下位から10店という意味ではなく、雑誌などマスコミ露出の割に期待を大きく裏切られた店など負の意味で印象的だった店であります。

フレンチ
ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ 六本木
180名のキャパを誇る、ヒラマツグループの美術館内「高額ファミレス」。
こんな大箱で支払額に見合ったまともな料理やサービスが得られるはずがありません。詰め込み過ぎでこれならその辺のファミレスの方がゆったり食べられるでしょう。冬にコートや荷物を預かるスペースがあるのでしょうか。
キャッチも問題。「ポール・ボキューズが日本に初上陸」のようなあらわし方をしていますが、正確には「ブラッスリーでは日本初」が正しい。銀座、赤坂アークヒルズと2回も「ポール・ボキューズ」を冠したレストランはありました。もう日本は懲り懲りと言っていたボキューズさんをヒラマツグループが説得して3回目の上陸になったと漏れ聞いております。

ラ キャンタン 駒沢大学
女性シェフのカウンタービストロ。かなり期待して訪問したのですが、料理は完成度低いものばかりでがっかり。ラタトゥーユ、シュークルート、トリップ、仔羊クスクスと深みのない味付け。調理スペースはかなり狭いですから「業務用」の調味料や出汁を使わざるを得ないのかもしれませんが、まったく薄っぺらな味わいでありました。
でも問題はシェフの態度。ホント、愛想が悪いんです。狭い店なので客が入ると顔というか目が合うのですが、会釈もなにもしない。勿論「いらっしゃいませ」の言葉もない。無愛想な顔のまま。嫌々造っているのかと思ってしまいます。また、カウンター上に脂がこびりついているのかベトベトしていたのも気になりました。
近くの「クワン」とはまったく異なる悪い食後感でありました。

イタリアン
イル・カランドリーノ トーキョー 新丸ビル
イタリアでは最年少で3つ星とったシェフの提携店。オープン当初は昼夜行列ができていました。
コース対応ですが、総量が少ない。また、カルボナーラ、サフランリゾット、
イベリコ豚のローストなどスペシャリテも量少なくたいしたものではありません。
特にメインのイベリコ、70度で24Hrローストがウリですが、肉の繊維質がなくなってしまって食感がなく、食材が豚だか何だかわからなくなってしまっています。旨みも残っておらずイベリコを使う意味がないと考えます。

ラ・ボスケッタ  白金
この店も大きく期待を裏切ってくれた店でした。「キオラ」時代の鵜野シェフの料理は好きだったのですが、ガラス食器販売会社とコラボで出したこの店は、コンセプト失敗ではないか。
コース制しかないのはまあ許すとして、7500円以上1万円台が2つと高いのはいかがなものか。その割に、少量ポーションの料理が7皿くらいしかでてきません。ハーブを利かせた繊細な料理ではなくなり、見た目とインパクトある味だけになってしまいました。
ワインリストもプア。イタリアワインはわずか42種。フランスワインの掲載ページの方が多いのですが、この意図がわかりません。


和食
井雪  銀座
東京で最高レベルに位置する割烹「京味」である程度任されていた人が昨年独立した店。食べ歩いている社長ブログなどネットでも絶賛されていたのでかなり期待していたのですが、これまたガッカリでありました。
まず料理が京味とはかなり変わっておりました。質は別にして食材のルートなどは同じようですが、調理がまったく違う。経費族、年配客を狙ってか、わかりやすい濃い味付けになっておりました。
主人や女将の接客にも疑問。羽振りの良さそうな客なら、初訪問でも掌スリスリ。また、遅くに入ってきた常連客には、カレーを振舞っていましたが、2万円以上支払う狭いカウンター割烹で、隣からカレーの匂いを漂わせて良いものなのか。現在はカレーなどまかない料理を出していないといった話を聞きましたが、手遅れか。
接客含めて修行店のオヤジさんを今一度見習ってもらいたいものです。

(つづく)

2007年10月11日

途中報告 友里征耶・今年のベスト10 その2


銀座 青空
青空とは主人の名前。「はるたか」と読みます。「すきやばし 次郎」で二郎さん、長男の次の3番手だった人が独立した店。近辺は「久兵衛」、「小笹寿し」、「くわ野」、「奈可久」、「椿」など人気店、評判店が集中している激戦区です。
「次郎」の悪い面を修正、数少ない良い面をそのまま保っているため、友里のお勧め店となりました。
酒飲みにも寛容でツマミの充実に努め、傲岸不遜な客あしらいも封印。客を追い立てるようなプレッシャーもなく、2時間はツマミと鮨とお酒が楽しめます。
勿論今まで仕込みをやっていたから基本的には酢飯、仕事は「次郎」とほとんど変わらないと感じるでしょう。タネ質も変わらないのではないか。それで支払は滞在時間を倍以上粘れて半額くらいですから、見栄を捨てれば「次郎」へ行く気はなくなりますね。

銀座 奈可久
泰明小学校近くから、激戦区の銀座8丁目に移転してきました。
移転後初めて訪問してビックリ。「久兵衛」や「くわ野」の並びにあるビルだったのです。
キャパも大きくなり、氷柱も立派に。若い衆も2人雇っていました。こうなると請求額が上がってCPの劣化が気になるところでしたが、ツマミに握り、オミヤに太巻き頼んで一人2万数千円と依然とさほど変わりません。
ツマミは洗練されたものになっていましたが、私は以前のような煮物など主体の方が好きです。定番の「蛸の桜煮」は相変わらずおススメです。


中国料理
四川豆花飯荘 新丸ビル
本店はシンガポールにある四川料理屋だそうです。
なんとかの一つ覚えのように、ただ痺れ辛いだけの味付けではありません。香も重視した料理で、それほど辛いもの好きでなくても食べられます。
ランチはコース(5千円くらいまで)でいいですが、夜はグループならアラカルトで頼んだ方が好きなものを食べられ、しかも安くすむと思います。
水煮牛肉や麻婆豆腐、坦々麺はまずまず美味しい。
お茶のチャージとして300円ほど請求がある「八寶茶」、パフォーマンスは面白いのですが、長い注ぎ口を振り回すので今に事故がおこらないかと心配です。

麒麟  甲南山手駅
関西の食通グループの食事会に飛び入り参加させていただきました。
まったくの街場の中華の雰囲気。
MSGを使用していないようでマスヒロさんのような嗜好の方には物足りなく感じるかもしれませんが、蒸し鳥、ピータン、中華風刺身、魚介類の炒め、水餃子、合鴨から揚げ、トンポウロといった街場料理は一つ一つは美味しい。
味付けに変化が少なく短調なのが残念ですが、かなり食べて飲んで8000円チョイですからCP良かった。


その他
鉄板焼 馨  西麻布
ちょっと引っ込んだマンション地下にある隠れ家的な鉄板焼店です。この手のコンセプトの店はCP悪いと相場が決まっているのですが、意外にホテルの鉄板焼より充実した内容でありました。
一番高い1万6千円コースには、前菜のほか黒鮑、伊勢海老もついてステーキが150グラム。勿論ガーリックライスも付いています。
ワインもノンヴィンシャンパーニュが8400円、他の白・赤ワインも安めの値付けでした。
個室もあるようで、業界人だけではなく接待にも使えると考えます。

2007年10月09日

途中報告 友里征耶・今年のベスト10 その1

7月頃に今年前半訪問したベストとワーストの10店を掲載すれば良かったのですが、すっかり忘れて10月になってしまいました。
今年もあと2か月半ほど。ほとんど大勢を決定したかもしれませんが、途中報告として友里にとっての今年のベスト10、ワースト10を4回にわたって報告させていただきます。
ベスト10の店といっても友里的には問題点があるのはいうまでもありません。世に完璧はありません。逆にワーストといっても真に悪いのではなく、雑誌などの宣伝に裏切られてしまった、期待が大きく外れてしまったということでリストアップした店もありますので、その点をお含みおきください。
では本日から2回は現在までのベスト10です。

フレンチ
アロニア ド タカザワ 赤坂
良い意味で大きく予想が外れた店です。デビュー前はあまり評判店、人気店、高額店の経験がないと思われる「過食のオコチャマ」来栖けい氏が絶賛している店だったのですが、下手な鉄砲も数うてば当たる、といったところでしょうか。
フレンチというより創作料理なのですが、一日2組とか怪しい営業形態の割に悪くはありません。ワインが日本物しかない、換気が悪く煙が充満する。支払はかなり高い、など問題点多いですが、話のタネに一回は良いでしょう。


イタリアン
トラットリア デッラ ランテルナ マジカ 目黒
ワインの安さ、地方色はないがディープ感ある料理で結構流行っている店。
バーニャ カウダ、ボリード ミスト、ラグーの手打ち麺、馬肉のステーキと頼んだ料理にはずれはありませんでした。ちょっと駅から遠いのが難点でしょうか。

リストランテ ダ ニーノ 乃木坂
ニーノさんが西麻布から独立した店。シチリア料理店です。
パスタ2500円以上、メイン3500円以上と安くはない店で、雰囲気も「リストランテ」と言えるものではないチープ感がありますが、料理は悪くない。トラパーニ風ペーストのショートパスタ、シチリア風ブイヤベースもなかなかでした。ワインを安いものにすれば一人1万数千円で終わります。


和食
建仁寺割烹 まとの  祇園
今年は時間がなく、京都の店を訪問する機会が激減してしまいました。
そんな中で連れて行ってもらったのがこの店。お椀はかなりインパクトある出汁、伊勢海老などを多用するなど私的には好きな構成ではないのですが、この食材、質を考えると、コース1万3千円は京都でもお得であります。

ハル ヤマシタ  東京ミッドタウン
神戸からでてきた創作和洋食店。本人は創作和食と思っているようですが、見た目も味わいもイタリアンっぽい和食です。
この店では、頼むコース価格で食後感が激変します。メインの違い、たとえばランクの違う神戸牛やイベリコ豚の違いで後はまったく同じ料理がでて6千円台から1万数千円まで変わる価格設定。
勿論、メインは神戸牛ステーキのある一番安いコースを頼んでください。高いコースでも結果はそうは変わりません。

(つづく)

2007年03月02日

越前三国港 川喜

先日、三国港近くの「川喜」(本当は『喜』ではなく『七』が3つ)へ行ってきました。
金沢の友人のところへ仕事の相談に行った際、うまい蟹を食べに行こうということになり、知人や和食のご主人から一度は言ってみろ、と言われたこの店を思いついたのです。確か昨年、山本益博氏も週刊誌で絶賛していた越前蟹の有名店。
せっかく行くので、芦原温泉に泊まることも想定して昼に蟹を食べようということになり、店の予約は私がすることになりました。
電話でのやり取りから、コースしかないこの店の料金は、蟹の競り値で一定していていないことがわかりました。平均的な金額を聞いたところ、二人で蟹1杯で5万円前後、2杯にしたらなんと8万円くらいになるとのこと。予想以上に高いではありませんか。以前、丹後半島の「とと屋」で間人蟹を食べたときは、宿泊がついて一人4万円超でした。そして蟹は一人1杯半はありました。即答で二人で1杯に決定したのは言うまでもありません。
芦原温泉駅からタクシーで15分、3千円を超えました。足代もばかになりません。
民家風の建屋ですべて個室対応。主人と女将の二人しかいなようで、人件費はかかっていないようです。
メカブなどの前菜、鰈の肝のお通し、甘エビの造り、鰈の煮物、ハタハタの焼き物のあと、出てきた蟹はかなりの大きさです。1杯にしてホントに良かったと思いました。
出汁を逃がさないようにしゃぶりつく食べ方をこの店特有で「しがむ」というそうです。確かにいい味しているというか、かなり濃いお味。
これが越前蟹の本当の味だと言われればそれまでですが、間人や京都で食べた松葉蟹よりかなりシツコク感じたのです。何杯か茹でたあとの出汁でこの蟹を茹でたように感じてしまうくらいです。
雑炊までなんとかたどり着きましたが、これは大変な量であります。一人1杯頼んでいたらかなり食べ残すことになったでしょう。
私はこの日以降、今シーズンずわい蟹を食べたいとは思わなくなりました。それほど良くも悪くも印象的な味わい。話のタネにはいいですが、この店だけのために訪問するには料理も足代もあまりに高額です。タクシーの人も、福井で1番と言っていましたから間違いないのでしょうが、私的には再訪はありません。
というか、その後蟹を食べたくなくなってしまいましたから、代償は大きかった今回の店訪問でありました。
同じ高額食材ならば、「フグ」の方がしょっちゅう食べられると考えます。

2007年01月23日

ミシュランスターシェフ来日イヴェント

毎年恒例になっているのか、ホテルニューオータニの「ベル ヴュー」でのイヴェントに行ってきました。
昨年も1月、2月とあったこの星付レストランシェフの来日イヴェント。5日間だけの限定でして、1月はピエモンテ州のレストラン「ヴィラ・クレスピ」のシェフ、アントニーノ・カナヴァッチュオローネでした。
1つ星シェフとの紹介で昨年予約を入れましたが、最新のミシュランでは2つ星に昇格したのではないかとの情報もあります。
この「ベル ヴュー」、私はこの来日イヴェントでしか利用したことがないのですが、毎回不満に思うことがあります。ワインが高すぎるんです。フランチャコルタ(スプマンテ:発泡酒)が最低でも8千円前後、プラネタのシャルドネやドンナフガータのタンクレディが1万円前後の値付けにビックリ。小売の倍以上というか、タンクレディなんてネットで3400円くらいで軽く買えてしまうワインですから、やりすぎです。店の仕入れは3400円よりも安いはずですから何倍の値付けにしているのか。絶対価格が安くCPが良いのが特徴であるシチリアワインに、1万円を超す値付けをしてしまってどうするのか。ワインリストをちょっと見ただけですが、2000年代のイケムも高すぎ。あの価格は私が67年のイケムをオークションで落とした数字とさほど変わりません。
最近はめっきりホテルのレストランへ行く機会が減りました。ニューオータニの「トゥール ダルジャン」、オークラの「ラ ベル エポック」、帝国の「セゾン」など友里にとってどれも魅力を感じる店ではありません。レストランは、料理がぴか一とか、ワインが安い、とかウリがなければならないと思うのですが、ホテルの画一的なサービスくらいしかないのですから行く気がしません。
今は数千円でワイン持込を許す一流ホテルも出てきております。ホテルの店では比較的流行っている「鉄板焼き」でも持ち込むことができるくらいですから、あまり集客が順調でない店ならば、よりワインの値付けを安くする配慮が必要ではないか。

肝心の星付シェフの料理は、伝統と現代と銘打った2種のコース。オータニは来日するシェフに必ずこの2つのコースを考えさせるのですが、地元でも伝統的、現代的な料理を2種造っているのでしょうか。普通はシェフのポリシーで、どちらかに絞った料理を造るものだと思うのですけど。普段造っていないスタイルの料理を考えさせても無理が出るというものです。
連れと別々のコースを頼み両方を味見しましたが、悪くはないまでも記憶に残る皿なし。一番安いであろうワインを頼んでも2万1000円のコース料理で一人当たり3万円を軽く突破してしまった現実。支払額だけが鮮烈に記憶に残った次第です。

2007年01月07日

2006年 友里征耶のこの10店 その3

新年早々バタバタしてしまってこのシリーズの最終版の掲載が2日あいてしまいました。申し訳ありません。今日は2006年に初めて訪れた、またはかなり久々に訪れた店の中で印象に残った10店であります。友里のおススメ店と受け取っていただいて構わないでしょう。

ラ リューン
「レストラン オオイシ」を居抜きで引き継いだ当時は、独立して採算を重視したのかCP劣化でかなり常連客が離れたのではないでしょうか。いつしか忘れてしまっていたのですが、「グルメバトル」でJCに飛び込ませる企画から数年ぶりに訪問しました。元々ポテンシャルはあるシェフ、料理は以前の輝きを取り戻しておりました。客も結構入っているようで、CPも悪くありません。浅草の高くて普通の味の洋食屋の予算でこの手のこんだ正当フレンチが食べられるのですからお徳であります。JCに惑わされることなく、何の特徴もない「高い洋食屋」へ行くより、同じ予算でこの店のようなフレンチへいくことをおススメします。

オステリア ナカムラ
夜しか営業していませんが、CP良いバリエーションある料理、価格にあった雰囲気、安いワイン、シェフとマダムの接客態度、とどれもバランスよくおススメです。料理は地方色あるものではない創作系のイタリアンですが、予算はワインをかなり飲んでも1万円かかりませんから満足されると思います。

ドン チッチョ
「トンマ ズィーノ」が青山に移転しました。10月末のオープン当初から予約困難なほどの盛況さ。キャパはやや大きくなりましたが、料理やサービスは前店と変わりません。やや皿出しが停滞することがありますが、シチリア料理としては支払いは同じくらいですが「アルキメーデ」よりはるかに食後感がいいでしょう。

トラットリア トルナヴェント
マダムの笑顔の接客だけではなく、ピエモンテを主体とした料理も良くなっています。JCもこの料理を気に入ってしまったことが、かえってマイナスになるのではないかと私は心配です。
ワインの持ち込みも@2千円でオッケーなので、その分料理に予算がかけられます。

くわ野
あの他店メッタ斬りの「すゞ木」のオヤジも褒めていたので驚きました。ツマミも豊富、握りも2種の煮切りを使い分けて特徴を出しています。銀座の最近の若手の店では秀逸です。キャパが小さく一人客の予約を受け付けないのが難点です。隣の「久兵衛」よりはるかに食後感はいいでしょう。

すし処 ととや
赤酢の酢飯、湯引いてから漬け込んで白くなったヅケを試してみてください。旬の生のトリガイもおススメです。読者からは女性の一人客を受け付けないとの話を聞きましたがいかがでしょうか。私は何回か常連らしき女性が一人で食べている場面に遭遇しております。

宮葉
浜松町の鮨屋。相汁(ともつゆ)につけた煮ハマがウリですが、その他のタネ、そして握りとレベルはかなり高い。ツマミも豊富ですが、頼みすぎると支払額が2万円台後半になる可能性があるので気をつけてください。

銀座 奈可久
帝国Hの「奈可田」、六本木の「奈可久」出身の鮨屋。私はJCのコラムでその存在を知りました。近くには「きよ田」もある銀座の激戦地。期待しないで訪問したのですが、主人は謙虚でタネ質、仕事、酢飯と支払額(2万円以下)を考えると食後感はいい。オミヤで造る「太巻き」も美味しかったです。

霞町 すゑとみ
友里が珍しく褒めているので、何か関係があるのかと同業者から疑われていると漏れ聞きました。ここであらためて宣言しますが、私は何ら貸し借り、便宜供与なく自分の感じたことをそのまま評価に著しただけであります。
1万5千円コースを設定してしまったようですが、これ以上の高望みはしないほうが無難でしょう。器に拘るのは未だ早いような気がします。

世良田
麻布十番の盛況な焼き鳥屋。焼鳥は不味いか普通かのどちらかしかないと思っていましたが、この店の焼鳥はおいしゅうございました。ワインが高いのでボトルを頼むと客単価が倍になるようですが、持込可だそうです。

2007年01月04日

2006年 友里征耶のこの10店  その2

今日は2006年に出会った「わざわざ行く必要のない店」、「CP悪すぎの店」を10店挙げてみます。

COGITO コジト 西麻布
マルシェ オー ヴァン ヤマダ グループの新店。ビストロと紹介されていますが、定番のビストロ料理は少なく、ポーションも小さく、値付けはワインも含めて高いという、まったくビストロとは対極の位置づけの店。CPの悪さは究極。周辺のフレンチより高くつく、正に「ビストロ偽装」の店です。

クルック キッチン 神宮前
ミスチルの櫻井氏や和食の「かんだ」の主人、神田氏が絡んでいるフレンチ。東京最高のレストランでは、1年がかりでオープンまでのメイキング宣伝記事を掲載していました。掲載料を払わずこんな特別待遇をアクセス・パブリッシング(出版社)がするとは思えません。
この雑誌得意のシェフの経歴も不掲載なのが不思議。チープな内装に素人料理に毛の生えたレベルの料理、ワインの知識に薄いスタッフ、とすべてが駄目でありました。

ドナステラ クッチーナ オオサコ
西麻布の「ダックイ」の大迫シェフが銀座へ出店、とオープン時かなり雑誌に露出していました。でも、この「ダックイ」というイタリアン、有名だったんでしょうか。私はその存在をまったく知りませんでした。無理して銀座へ移転すれば誰でも名店のシェフだったと取り上げられるのでしょうか。
20名近くのキャパをシェフとホールスタッフの2名で捌こうとするため、かなりストレスを感じる店となっております。段取りが悪いのか手際が悪いのか、シェフの皿出しはかなり停滞気味で、ボリュームないのにボリュームあると言ってパスタを1種(2名の場合)に限定させようとする営業。少しでも造る料理を少なくしたいのでしょうが、これが「ボリューム偽装」でちっとも多くありません。大きいのはスタッフの態度だけ。ストックをしたくないのか、リストを作らず数種のワインしか用意しないで押し付けてくる営業も疑問。
肝心の料理も可もなく不可もなし、何ら傑出していないのでストレス貰いにわざわざ行く必要はありません。

タツヤ・カワゴエ 代官山
イタリアンのプリンチペ(王子様)と東京最高のレストランがここ数年煽りまくっている料理人のイタリアン。「辻調」を出てからたいした修業歴はないと読みました。イケメンシェフの一人として、雑誌のライターを丸め込んだかのような露出の多さですが、肝心の調理の腕は王子様どころか「オコチャマ」並み。飲食店はホストクラブではないんですから、料理をウリにしてもらいたいものです。

キャンティ  飯倉
学生時代は無理してここぞのデートに使わせてもらいました。芸能人に遭遇したのも楽しい思い出。しかし、こんな賞味期限切れのイタリアンへ今更行くとは思いもよりませんでした。JC絶賛のこのイタリアン、はっきり言えば、一昔前の「イタリア風洋食屋」。メインの食材はメニューでは仔牛に若鶏、牛ヒレだけ。客層は予想通り年配客とその家族連れが主体でした。イタリア本国で食べた人にはまったく物足りない料理。そのくせ支払いはギンガムチェックのクロスの割にリストランテ並ですから驚きです。ワインも高く、こんな店で一人2万円も支払うのは時間とお金によほど余裕のある人しか無理でしょう。

アルキメーデ 神泉
やまけん、古川修氏が絶賛していただけに期待はしていなかったシチリア料理店です。前菜が10種ほど、パスタも2種、そして200グラムを優に超える豚などのメイン。ただでさえ量多すぎるのに単調な味付けなので、来栖けい氏など常識はずれの「大食い」でなければ完食できない6500円のコース1本は、まったく問題外のコンセプト。シチリア料理で子供駄目、そしてコース1本(メインやパスタは選択性です)では、季節の食材を楽しむ選択肢もなくなるというもの。
量から言えばCP悪くないのですが、そのコース一人分は2人前の量があります。つまり、ほとんどの人が食べ残すので、4千円くらいのコースを6500円払って食べている感覚になります。シェフの戦略がまったく空回り。やまけんや古川さんに結構宣伝してもらっている割に満席でないのがその証左といえるでしょう。

minobi ミノビ 田町
オー グー ド ジュールの3店目となる和食屋さん。カウンター主体ですが、結構単品の量が少なく値付けが高いので、料理だけで6千円は行ってしまいます。肝心の料理ですが、オーグードの「賄い料理」を出してきたかと思うほど、どれも味濃いもの。こんな下町味、マスヒロさんやJCくらいしか喜ばないのではないでしょうか。ワインの値付けも安くはないのでリピートは出来ません。

喰切り 江ぐち 西麻布
神宮前から移転して高額設定に戦略変更したスッポン料理屋。最初は「会員制」として秘密性を持たせてオープンしていましたが、集客が苦しいのか雑誌で住所や連絡先を公開してきました。ビールや日本酒が飲み放題とはいえ、数皿の小料理にトロ握り、そして身の少ないスッポン鍋に雑炊で一人3万円は高すぎです。どうみても二人で1匹のスッポンを使っているとは思えません。しかも、有名料亭関係者からスッポンの仕入れが1匹高くても4千円前後と聞いたことがCPの悪さに追い討ちをかけました。あまりに高すぎではないか。このスッポン料理店、移店前は1万5千円だったそうですよ。カードは不可、支払いは名刺を渡しての掛け払いが標準と、まったく時代錯誤な営業でもあります。

森本XEX  六本木
なんでこの人が和食の鉄人なのか理解に苦しむんですが、その「和食」の料理人がワイズテーブルと提携して出したのがこのスシと鉄板焼きをウリにしたXEXです。
スシと鉄板料理にはどうしても結びつかない派手な内装。JC流に言わせていただければ、入店して友里思わず「絶句す」。
自慢のスライサーの神戸牛刺身は薄すぎで味わかりません。魚のカルパッチョは、クラッシュアイスではなく角のアイスに乗っかっていましたがベチャベチャ。伊勢海老のロースト、前沢牛の鉄板焼きと業界人が喜ぶ食材が続きましたが、肝心の味はどれもイマイチ。〆の「ひまつぶし」もしけた鰻でした。この料理のどこに和食を見ることが出来るのか。1万5千円コースでしたが、これならまだホテルの鉄板焼きへ行ったほうがマシというものです。

田吾作寿司 練馬
1万円以上払ったスシ屋でこれほど食後感の悪かった店は記憶にありません。友里の人生の記念碑的なスシ屋となりました。
創作寿司なんですが、そのタネの取り合わせがひどい。海鼠腸、ホッキ貝、アオヤギを3つ入れたノンベ巻き。アン肝と奈良漬をレタスで巻いたスシ。個性のある味のタネを混ぜて何をしたいのか。こんな濃いタネをいっぺんに使ったら、科学調味料や味濃い料理が好きなマスヒロさんやJC以外の人には受け入れられません。
普通の仕事をしてあるタネも駄目。コハダ、カスゴなどもどれも街場の寿司屋並です。だいたいここの酢飯がひどかった。私は「すしの子」を使っているかと思ったほどの素人の出来でありました。
江戸前鮨を食べこんでいる人にはまったく受け付けられない、信じられない創作スシ屋であります。


2007年01月03日

2006年 友里征耶のこの10店 その1

年末年始、この1年のベスト10を発表するTV番組が目立ちます。ブログなどでもお気に入りの10店を選ぶ企画をよく目にします。
そこで、2007年最初の企画は、「評判倒れ、予想外に良かった」、「ご存知、言ってはいけない店」、そして「友里のおススメ店」をそれぞれ10店、3回に分けて簡単に書いてみたいと思います。取り上げた店は、私がはじめて訪れた店、もしくは久々に訪れた店に限ったものとします。よって、「行ってはいけない店」に「野田岩」などは入っておりません。
では今日はまず「まったくの評判倒れだった店」7店と、「予想に反してよかった店」3店です。


まったくの評判倒れ

グリル グランド
TVなどマスコミに出まくっている高い洋食屋。JCの絶賛おススメで2度も訪問しましたが、銀座などにあるそこらの洋食と変わらない内容で、支払いは普通のフレンチ並み。あの手をかけない緩い詰めのビーフシチューに3千円をニコニコ顔で払ったら、フレンチのシェフがやる気をなくします。東京の洋食は過大評価されすぎて高すぎです。ミックスフライもただの普通のフライでした。

ビストロ モンペリエ
これまたマスヒロさんが絶賛していた下町の店。ビストロと称する割に、ポーションは小さく味もインパクトない料理。「ラミティエ」の量と価格に敵わず、「ド ラ シテ」の量と味に敵わない中途半端なビストロです。

リストランテ カステッロ
店名詐称かと思ったイタリアン。雰囲気、サービス、そして料理とまったく「リストランテ」ではなくどとらかというと「ファミレス」に近い。ジョギング途中のトレーニングウエアの夫婦が入ってきたのには驚きました。
大箱でテーブルチェックではなく入り口のキャッシャーで会計する客が多いのがそれを物語っております。料理も勿論まったく凡庸でありました。

銀座 こびき
メーカーの技術者から大学教授に転身した、副業ライター古川修氏絶賛の店。日本酒、食材の生産者、料理店の勝手な自慢口上を垂れ流すただの「ヨイショライター」が何を勘違いしたか、親しくなった店、生産者、造り手を利益享受と引き換えに一般読者に宣伝しまくっているのですが、その「煽り店」の一つがこの「こびき」です。
高額居酒屋の請求で、料理はそれなりの居酒屋料理。この店の料理のどこが傑出しているのか。まともな和食、京料理を食した人なら理解できない「過大評価」とすぐわかるでしょう。店自体も、古川さんに下手に持ち上げられて注目されるのは迷惑ではないでしょうか。

金兵衛
「東京最高のレストラン」などでスシ専門のコメントを発している早川光氏が玉を含め絶賛している鮨屋。
その玉子もさほど傑出しているものではなく、他のツマミ、握りもまったく凡庸でありました。仕事後、飛び込みでちょっと食べてかえるスシ屋の位置づけの店であります。

伊勢廣 本店
ネットでは絶賛の嵐の焼き鳥屋。しかし、この鶏は本当に地鶏なんでしょうか。旨みを感じす、焼き方も含めまったく期待はずれ。しかし満席なのが不思議です。ネットの評価を信用してはならないという代表例であります。

すぎ田
有名なトンカツ屋ですが、そのロース、ヒレのトンカツは質がイマイチでまったく凡庸。オムレツもたいしたことなく、エビフライも大きく高いだけのもの。ポークソテーも味濃いだけのようです。豚質でもっと上の店は増えています。昔の名前を信じて行ってはいけません。


予想外に良かった店

竹慈庵 なかだ
東京カレンダーで大々的に宣伝されていた「期間限定」の和食屋。ある日本酒メーカーがスポンサーという話です。雑誌で宣伝してもらったというのに、ブログでの公開を許さない矛盾。雑誌での宣伝はいいが、素人の評価は受け付けないというのか。紹介制で住所、連絡先を公開していませんが、その創作和食は予想外に美味しいものでした。もっと懐を深くして一般客に対応してもらいたいものです。
日本酒、ワインと非常に高いので注意が必要です。

けせらせら
同じく東京カレンダーに不自然なほど出ていた店。一説には宣伝費を払ったとも漏れ聞いています。
しかし8千円ほどのコース料理は意外にまともというか、この価格としてはお買い得。もと「とく山」出身の料理長、同伴カップルの好むダイニング系と雰囲気はイマイチですが、CP感は悪くありません。

ラ トゥール
交詢ビルの「オストラル」後に出店したフレンチ。「トゥール ダルジャン」出身のシェフというだけで引けてしまいますが、独立と共に不動産会社から駆けつけたサービスを担当する弟さんとこの不毛なビルへ移転していい味だしています。まったく新鮮味のないオーソドックスな盛り付けと調理の料理ですが、これがなかなか美味しい。自家製のパンも美味。もしかしたら、交詢ビルの中で唯一の勝ち組になるかもしれません。